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現在、鹿児島県の奄美大島に住んでいます。軽い南国気分も味わえる良いところなのですが、ひとつ欠点を挙げれば、旅行に出かけるときの不便さです。 国内移動だけで東京・大阪在住の人が近場の海外へ行けるぐらいの費用がかかります。 少ない休日期間中に国内移動のスケジュールまで押し込むと、行ける場所も限定されてきます。 そんなこんなのハンディを乗り越えて、今回はカシュガル。 行きは奄美→鹿児島→福岡(1泊)→上海→ウルムチ→カシュガルの5フライト・1泊。 帰りも4フライト・1新幹線・1泊です。 (写真はウルムチ ニ道橋市場付近)
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長い移動の末、カシュガル目前のウルムチへ到着。 飛行機乗り継ぎに4時間弱程の待ち時間。 14年前の旅行のとき、大都会ウルムチはトルファンなどに比べ“面白みのない街”という印象。南山牧場や天池も苦労して行ったわりには期待はずれでした。 更に、夜明け前の暗闇で空港バスの出る民航オフィスへの道に迷い、大パニックになりながら、筆談も通じないウイグルのおじいさんに、両手を広げて飛行機の真似などして尋ねたことも。 非常に相性のよくない街なのですが、空港で時間をつぶすより「バザールの雰囲気を味わいながら食事でも」と軽く考えて、今回始めて使うキャスター付きバッグをゴロゴロ引きずりながら、貴重品を入れたDバッグを背負って街へ出ました。
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空港から市内へのタクシーで2倍程の料金を取られ「相変わらずすさんだ街だ」と思いつつ、まだこのときは余裕。ニ道橋市場付近を散策します。荷物を空港に預けてくればよかったのですが、初めて使うキャスター付きバッグの利便性を確認したい気持ちもあって、全荷物を持ちながらの散策。人ごみの中でもとても目立ちます。
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大都会の雑踏ですので、エキゾチックな情緒など感じることもなく歩き疲れ、路上にテーブル・椅子を並べた屋台で食事をとることにしました。 定番シシカバブと大型餃子というか肉まんみたいなもの。怪しげな軽く炭酸の入ったようなジュースみたいな飲み物。 キャリー付きバッグは椅子の左側に。上着とDバッグを右隣の椅子の上に。 もの珍しさからあたりをキョロキョロしながら写真を撮ったり。 ふと気づくと、隣の椅子には何もありません!! Dバッグがありません。 机の下、椅子の下、探しますがありません。 店のおやじに「バッグがない!パスポートもお金も何もない!」とすがるように訴えます。 バッグにはパスポート、エアチケット、全所持金、クレジットカードが入っていました。 パスポートもなくエアチケットもなく、お金も1円もなく、食べたものの代金も払えません。 言葉も通じず(中国では英語を理解できる人を探すのが一苦労です。)、大使館などもない街でひとり旅。完全に暗くなったウルムチの雑踏の屋台で茫然自失の状態です。 “困った”というより、何も頭に浮かばない“思考停止”状態です。
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そんな状態が5分か10分だったでしょうか。 店の人間が上着を詰め込んだバッグを唐突に持ってきました。 どういった事態かわかりませんが、そのときはとにかくバッグが戻ったことが嬉しくて、ただそれだけでした。 パスポートもチケットもあります。財布も入っています。両替済みの中国元を入れた紙封筒も入っています。 「何と言うラッキーだろう!」と悪夢からさめた思いで、ニコニコ顔で店をでました。 上着のポケットに入れていた50元(700円ほど)がありませんでしたが、そんなことは気にもなりませんでした。 空港に戻るタクシーがなかなか捕まえられず、先程の悪夢も忘れ、出発時間がせまる中であせり狂いました。 ようやく乗り込んだタクシーの中では「とんだ不注意だったけど、これからは気をつけよう」なんて鼻歌でもでそうな雰囲気。 (写真は同じくウルムチ ニ道橋市場付近 盗難事件前)
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空港でチェックインをすませ、初めてバッグの中をよく調べました。 財布はあります。中身は?からっぽでした!!! 現金が日本円で12~13万円ほど、クレジットカードが2~3枚きれいに消えています。 細かいところではPHSの電話、奄美特産のピーナッツのお菓子なども消えていました。 上海でいつになく多目に両替した元が1800~1900元ほど(25000円程度)かろうじて残っていました。 カシュガルへのフライトはもうすぐです。 あともどりできません。パスポート・エアチケットも戻ったことなので、何とかこのお金で行ける所まで行くしかありません。 福岡までたどりつけば後はどうにでもできるでしょうから、6泊・5日間、このお金で何とかなるでしょうか? わかりません。とにかく先へ進むしかありません。 クレジットカードは? 明日朝一番に日本に電話して停止してもらいましょう。今はそれしか思いつきません。 (写真は同じくウルムチ ニ道橋市場付近 盗難事件前 見苦しい写真ですみません。)
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先程までの浮かれた気分は吹き飛んで、暗澹たる思いで深夜のフライトでカシュガルへ向かいました。 機内で外国人は私ひとりにも見受けられます。 “ドッキリカメラ”みたいないたずら番組をビデオで流しています。 中国の旅行者達が屈託なく笑っています。 そんな中で、ガイドブックでカシュガルの安宿を探します。 予定を変更して、14年前の旅行以来のドミトリーを探します。 とにかく節約しなくては。 カシュガル着は深夜1時頃です。 (写真は事件直後の屋台付近。右手の灯りのあたりで事件にあいました。)
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